壁紙(天井・壁)の原状回復
壁や天井は「クロス」と呼ばれる壁紙が貼られている物件が多いです。クロスに関しては、フローリングほど劣化はしませんが、やはり傷や汚れが目立つ部分ではあります。特に、大抵のクロスは「白」を基調としているので、汚れも目立ちますしクロスの繋ぎ目なども目立ちます。
また、クロスには臭いが付きやすいです。そもそも、クロスは範囲が広いですし、素材的に臭いを吸収しやすいのです。臭いに関しても賃借人は非常に敏感になりますので、汚れや破損以外の「臭い」もクロスは良く確認する必要があります。そんなクロスの原状回復時の3つのポイントについて解説します。
ポイント1 傷や汚れ
まずは、スタンダードに傷と汚れをチェックしましょう。クロスは白ベースのため、汚れは見つけやすいですが傷は見つけにくいです。とくに、クロスとクロスと繋ぎ目に傷があると、境目がどんどん広がっていくので注意しましょう。多少の汚れであれば拭き取れますし、小さい傷であれば補修できます。そのため、補修自体は難しくありませんので、「見つけること」を意識して隈なくチェックしましょう。
ポイント2 照明焼けや変色
クロスの原状回復の際に意外と忘れがちなのが、照明焼けなどによるクロスの変色です。照明はずっと設置したままなので、外してみないとクロスがどうなっているかが分かりません。ただ、数か月も住んでいれば、既に照明を設置していたクロスは変色していることが多いです。つまり、ほとんどの場合に照明裏の天井クロスは変色していると思っておきましょう。
ただ、照明焼けの変色部分は、あくまでその照明部分だけですので範囲は広くはありません。そのため、一部クロスを切り取り、同じサイズのクロスを貼る「一部補修」を行う場合もあります。その時の注意点は、周辺クロスとの色の違いです。
どうしても新しく貼る箇所は新品のクロスになり、周辺のクロスと色や印象が異なります。そのため、周辺クロスがあまりにも劣化している場合には、貼替たところだけが激しく浮いてしまうので全面貼替をお勧めします。
ポイント3 黒ずみについて
壁のクロスに黒ずみが現れたら要注意です。壁が黒っぽく変色している時は、下地にカビが発生している可能性があります。そもそも壁に貼ってあるクロスの下地は場所によって異なります。たとえば、戸境壁(隣戸との境の壁)はコンクリートに直接クロスを貼っている場合もあれば、ベニヤ板などの下地の上にクロスを貼っている場合もあります。
また、室内の居室を分ける間仕切り壁のクロスは、下地ボードの上にクロスを貼っていることが多いです。その下地にカビが発生している可能性があるので、一旦すべてクロスを剥がす必要があります。クロスを全面剥がして下地に防カビ剤を塗って新しいクロスを貼替るという作業が必要です。
カビが発生してそのまま放置すると、どんどんカビが広がっていく可能性があります。そのため、黒っぽく変色していたら、一度下地を調べてみましょう。